見えない力を“見える化”する、ものづくり現場の必需品
トルクまるわかりシリーズ vol.1

トルクってなに?
トルクとは、「物体を回転させる力」。 たとえば、ネジを締めるときにグッと力をかける――
その時にに発生しているのがトルクです。
この“回す力”は、あらゆる製品に関わっています。 自動車や家電、航空機、時計、医療機器など、
精密な部品を使う製品ではトルク管理が品質を左右します。
なぜトルクを「測る」必要があるの?
「締めすぎて破損」「ゆるくて脱落」──そんな不具合を防ぐために、トルクの“正確な管理”が欠かせません。
トルク管理を怠ると、部品のゆるみやすさ、製品の寿命低下、最悪の場合、重大事故やリコールへ…
そんなトラブルを防ぐのが、トルク測定機。
“目に見えない力”を正確に測り、数値で品質を証明するためのツールです。
トルク測定機はどんな場面で使われている?
製造ラインの品質チェック、工具の校正・検査(インパクトレンチ、トルクドライバーなど)、
研究開発部門での試験・評価、出荷前検査としての最終チェックなど,
さまざまな業種・工程で活用されています。
特に近年は、EV・ロボティクス・精密医療分野などでの高精度なトルク管理のニーズが急増しています。
トルク測定機の種類と選び方
トルク測定機には、用途に応じてさまざまなタイプがあります。
たとえば高精度で記録機能を備えた「デジタル式」はデータ管理に適しており、
シンプルな操作で電源不要の「アナログ式」はコストを重視する現場に最適です。
また、工具の簡易検査に便利な「手動タイプ」や、繰り返し作業や自動化に対応した「自動/電動タイプ」、
さらに動的な測定に強い「回転型(ロータリー)」、締付け工具の校正に適した「非回転型(スタティック)」など、
用途や目的に応じて最適な機種を選ぶことが重要です。
選定のポイント
トルク測定機を選ぶ際は、測定対象(ネジ・シャフト・モーターなど)や必要なトルク範囲と精度、
データ出力の要不要(記録管理が必要かどうか)といったポイントを押さえることが大切です。
迷ったときは専門メーカーや技術代理店に相談することで、自社に合った製品をスムーズに見つけることができます。
信頼されるものづくり”は、トルク管理から
製品の安全性、耐久性、品質保証…。
それらを根底から支えているのが、正確なトルク測定と管理です。
トルク測定機は単なる測定ではなく、「信頼を数値化するツール」。
ものづくりの未来を支える重要な存在として、今後ますます注目されていくでしょう。
